どんな願いも叶えるピンクのゾウ

ワット・ソートーンの次にやって来たのは、
同じく、チャチュンサオにある、

ワット・サマーンラッタナーラーム
(Wat Saman Rattanaram)

と言うお寺です。





実は、ここ、

タイ人に大人気のご利益スポット

なんです。








優雅に寝そべるピンクの巨大なゾウ
お寺に入ると、
真っ先に目に入るのが、こちら、

ピンクな巨大なゾウ?



「ガネーシャ」

って言う、ヒンドゥー教の神様です。



ガネーシャは、

人間の身体にゾウの頭、
4本の腕、
太鼓腹、
甘いものが大好き、

と他の神とは違ってとても庶民的なユニークな神様で、
インドで絶大な人気を誇ってるらしいです。

そして、
このユニークな神様は、

「商売繁盛」、
「学問向上」、
「蓄財運向上」、

等々様々な願いをかなえてくれるらしいです。
しかも、他の神様と違って、
3倍の早さで願いを叶えてくれるそうです。スゲェ〜





では、
ピンクのガネーシャをご覧下さい。




折れた牙を持っています。
牙が折れた由来はいろいろあるようです。
  1. シヴァ神(ガネーシャのお父さん)の投げた斧を反撃しては不敬であるから、あえて一本の牙で受け止めたため折れた。
  2. 籠で運ばれている時に振り落とされて頭から落ちて折れてしまった。
  3. 夜道で転倒した時にお腹の中のお菓子が飛び出て転げたのを月に笑われて、自らの牙を一本折って月に投げつけた。
1は良いとして、2、3は神様としてはどうなんでしょうかねぇ〜。




髪もあります。
ちょっとキモいけど、前髪が気になる。




チョット、色っぽい ^^;





このピンクのガネーシャ、優雅に寝そべってます。
元々インドのガネーシャは座ってます。

タイでは寝仏、涅槃仏、Sleeping buddha等と言って、
寝てる仏様が多くいます。
有名なのは、バンコクのワット・ポーの寝仏ですね。

以前、タイ人に、なぜ仏様を寝かすの?
って聞いたことがあるのですが、彼らの答えは、

「神様もずっと起きてたら、疲れるから」

マジでそう答えてました。

と言うことで、
ガネーシャも寝かせてるようです。






願い事
そんなガネーシャに私もお願いを。


お願いの仕方ですが、
直接、ガネーシャにお願いはしません。
ガネーシャは偉いので、一般people の願いは聞きません。

ガネーシャには子分がいます。


それがこのネズミ。

このネズミに願い事をするんです。
が、
このネズミ、
それぞれ色が違います。

ミャンマーなどもそうですが、
タイでは曜日毎に色や仏像が決まっていて、
自分が生まれた曜日の色の物を身につけたり、
お寺に行った時は自分が生まれた曜日の仏像に拝んだりすることが、
幸運をもたらすと人々の間に深く浸透しています。

曜日の色は、
月:黄色  
火:ピンク  
水:緑  
木:オレンジ  
金:青  
土:紫  
日:赤


私は以前、ミャンマーに行った時に、
自分の生まれた曜日を教えてもらったんです。

私は月曜日なので、黄色のネズミ様です。




でもね、
黄色のネズミ様は3匹いるんですよ。

ほらね。

写真右側の2匹は箱を持ってます。
そして、この2匹、

 かなり人気のようで、順番待ちしてる人がいます。



どうしよか?って悩んだのですが、
ここは聞いてみることに。
先のワット・ソートーンでも聞いて、正解でしたからね。


私       『なぜ、黄色いネズミは3匹いるんですか?』
順番待ちしてた人『これは、黄色ではなく、金色ネズミ』
私       『えっ、金色って、一週間の色には無いのでは?』
順番待ちしてた人『うん、金色は全曜日共通の神様のシンボルカラー』

つまり、
各曜日担当の神様とは別に、
全曜日を担当するオールマイティなジョーカーみたいな神様がいて、
その神様のシンボルカラーが金色ってことですね。

なるほど。
自分の生まれた日の曜日がわからない場合には、
とりあえず、この金色ネズミに願いを言えばいいんですね。



聞く気満々の金色ネズミ様。
しかし、手は耳の後ろやろ。




聞く気満々の金色ネズミ様ですが、
私は月曜日って分かってるし、並んでる人もいないので、

月曜日担当の黄色ネズミ様にお願いを。
金色ネズミ様に比べて、少しやる気が足りないような(-_-




で、
お願いをする訳ですが、
まず最初に、

「タンブン」します。


「タンブン」、ご存知でしょうか?

今回、この

「タンブン」

って言う言葉がこれから頻繁に登場します。

これ、タイ人がよく口にする言葉で、本来は、

「福徳をなす、善を行う、功徳を積むこと」

と言うような意味なんです。

ベトナムでもお寺の前で鳥や亀を売っていて、
それを買って野に放すと「徳を積む」って言いますが、
それと同じですね。

ですが、ここでは、

「お布施をする」

という感じで読んで下さい。




と言うことで、
持っている袋にお金を入れます。
タダでは願いは聞いてくれません、タイの神様。




次に、耳にこっそりと願い事を伝えます。
この時の伝え方に注意が必要です。




伝える方の耳とは逆の耳を塞ぎます。
でないと、
願い事が聞き流されてしまうそうです。

って、
誰が考えたん、そんなしょうもないこと。




おそらく、
この人の願いはダメですね^^;






ちなみに、
なんでネズミがいるかと言うと、
ガネーシャは悪魔を退治してネズミにし、
それらを子分にしたり、
乗り物にしたりしています。← 乗れねぇだろう、サイズ違い過ぎ
って、思いますよね。
でも、こんな理由があるそうです。

「象という大きな動物が、メッチャ小さいネズミに乗ることで、
 ガネーシャはなんでも出来るということを意味している」

なんでも出来る神様なんですね。




後、
ピンクのガネーシャの台座にも、


ガネーシャのレリーフがあります。
数えました。全部で32個あります。



皆さん、熱心にお参りされてました。
32個、全てにお参りするようです。
お参りは鼻をこするようです。
なので、鼻が剥げてます。


もちろん、各レリーフの下には、

タンブン用のコイン入れが。


つまり、ネズミ様に1回、
このレリーフ・ガネーシャに32回、
合わせて33回のタンブン。
これだけタンブンすれば、
そりゃ〜、3倍の早さで願いを叶えてくれますよね。






台座の中は、

ご利益グッズ売り場。


いろんな物、売ってます。

神様の像。



CD。
ガネーシャ・ソングでしょうか?



こんなのどうでしょうか?
かなりそそられたのですが。



ちなみに、
タイでは仏像は「買う」のでなく「借りる」と言うそうで、
お代は店員さんへ渡すのではなく、


こちらの木箱に入るそうです。





さらに、
ピンクのガネーシャの前には、

参拝室?があります。



この部屋には
ガネーシャ象があり、

金箔を張ってタンブンします。
既に、かなりムッキムッキです。





以上、ガネーシャだけで、そうとうタンブンします。

しかし、ここ、
これだけではすみません。






宗教テーマパーク
このお寺、
ピンクのガネーシャだけではありません。

こんなのもあります。




ラーフ。
ヒンズー神話で太陽と月を飲み込んで、
月食・日食を引き起こすとされている魔神。

ラーフの月食・日食神話は↓↓↓に面白く説明されています。

仏教一年生:第16回 不老不死のお酒





で、
こちらが、そのラーフの仏像。

幸運、成功運、金運そして安産に効果があるらしいです。



こちらが、ラーフのタンブンセット。

200バーツ。
黒米、黒ごま、黒豆、コーヒー甘、クレオっぽいクッキー等、
黒で統一されてます。
月食・日食を引き起こす神様だから?



そして、

金箔を貼ってタンブン 。

とにかく、タダでは願いは叶えられません。






こちらは、

3面のエラワン象。
乗ってるのは、インドラ神(帝釈天)?

神話の世界では、エラワン象は33の頭も持ち、
体高は、2,560km、牙の長さは、800kmだったとか。
では、なぜ3面になったのか?
諸説あるようですが、興味ないのでパス。


それより、興味があるのは参拝の仕方。

まずは、タンブン ・セットを購入。

こちらが、フルセット、200バーツ。



おばちゃんが売ってるのが、

サブセット。
フルセットとの違いは、お供え物の果物と線香がありません。
値段は聞き忘れました^^;




セットの中には参拝方法が書かれた解説書があります。
もちろん、読めません。
でも、
参拝の人達を見てると、なんとなく分かります。


フルセットの場合、
最初に、

ここでお供え物を捧げて、お線香を焚いて祈りをします。
サブセットでは、この部分は省略です。



次に、
エラワン象の下へ行って、

前足と後足の周囲を廻りながら、
お祈りの言葉を唱えるます。
サブセットはここからです。

皆さん解説書を見ながら、言葉は発していたので、
おそらく、この解説書に書いてある文字を読んでいるんだと思います。

ここまでは想像がつくのですが、
わからないのは、こちら、

右折と左折のマーク。

皆さん同じ方向に3回回ってます。
おそらく右回りと左回りでご利益が違うんだと思います。
発してる言葉も右回りと左回りでは違うような。

タイの言い伝えで、

「象の腹の下を歩いて通り抜けたら長生きする」

と言うのがあるのですが、
それと関係しているんでしょうかね?



この参拝、まだ終わりません。
右回り、左回り、回ってる最中に、

エラワンの足の横にある小象が持ってる袋にタンブンします。

つまり、右回りで3回、左回りで3回、
合計6回のタンブンですね。



そして、
この参拝の〆がこちら、

参拝セットに付いてる竹にお札を挟み、ここにタンブン。
最後はコインではなく、お札です。



ほとんど20バーツですが、
高額紙幣もありますね。






歩いてると、「チャリン、チャリン」
音がします。

音の方を見てみると、

なにやら投げています。



投げていたのは、

小銭。
20バーツで購入します。



台の上には、銀の壺がおいてあります。
この壺に、先に購入した小銭を投げ入れるんです。
投げる場所は手間の赤線。



で、
説明書きには、

「3回入れば、迅速に願い事が叶う」
「2回入れば、時間はかかるが願い事が叶う」
「1回入れば、願い事の一部のみ叶い、しかも相当時間がかかる」

らしいです。


けっこう距離があるので、なかなか入りません。
しかし、信仰深く、何事にも真剣になるタイ人、
3回入るまで何回も挑戦します。

お寺としては、
まさに、

「思う壺」





それから、
この台の下には、水が流れています。

そして、ミニチュアの灯篭が流されています。
年末のロイクラトン(灯篭流し)を待たなくても、
罪や汚れを水に流し、魂を浄める事が出来るのでしょうかね?



もちろん、この灯篭、

売ってます、20バーツ。
これも生まれた日の曜日によって色分けされてるようです。






その台の前では、

お坊さん達が並んでお経を唱えています。



んっ???






リアルすぎやろ!

並んでいるのはタイ仏教界のスーパースター僧侶達らしいです。




そして各僧侶の前には当然のようにタンブン用の鉢が。
これだけの高僧なら、タンブンしない訳にはいきません。
肖像権は大丈夫なのか?






この高僧と同じパターンがこちら、

12人の子僧。
 

えぇ〜、何?
ふざけてんの?
って、思いますよね。
でもね、これが結構人気あるんですよ。

皆さん、 タンブンしてます。






このパターン、まだまだあります。

7人のメガネ小僧。
タンブンし易いように、台にのってます。






こちらは、

自分の生まれた曜日の神様の受け皿にコインを入れて、
厄払いの祈りを捧げるコーナー。
そのコインは、一皿40バーツ。
私などは何皿買えばよいのでしょうか?



よく見てみると、

9つの神様がいます。
一週間は当然7日なので、2つ余分ですよね。

これも、ミャンマーに行った時に教えてもらったのですが、
水曜日が昼生まれと夜生まれで分かれており、
残りの一つは全曜日共通の神様らしいです。
金色ネズムと同じですね。






タンブン、まだまだあります。



カエルさんにタンブン。





牛さんにタンブン。





象さんにタンブン。

しかし、象の鼻の穴って、
本来、タンブンする場所なんでしょうかね?



この鼻の穴と同じパターンがこちら。
神様の手に握らせてます。




ガルーダ。


札が無かったのか、コインを乗せてます。


話は全然変わりますが、
ヒンドゥー教の神様の「ガルーダ」が、
仏教国タイの国章だと言うことをご存知でしょうか?

タイ王国国章

まぁ〜、
イスラム教のインドネシアもガルーダが国章なんですけどね。

仏教やイスラム教が伝来するまでは、
このあたり、東南アジアはヒンドゥー教圏だったと言うことですかね。





すみません、話がそれて。
「握りタンブン」にもどりますね。




ブラフマー神?違うか。


挟みやすい構造になっています。





ガネーシャ。








タイガー・マスク。







神様の手にタンブンすると言う行為、
お寺としては想定外だったのではないでしょうか?
そうとなれば、こんなのを祀ってみました。












マネークリップ付き千手ガネーシャ。
勝手な想像です、違ったらごめんなさいm(_ _)m








ここ、
まだまだ色々あるのです。
例えば、


こんなのとか、




こんなのとか、
他にもまだまだいろいろあります。


でも、
キリが無いので、このへんでやめます。


とりあえず、

 こんなとこがメインらしいです。






いかがでしたでしょうか?

ワット・サマーンラッタナーラーム

お寺と言うより、完全なテーマパーク。
これだけの宗教アミューズメントがあれば、
信仰深いタイ人には人気がありますよね。






最後になりましたが、
このお寺の印象は、








すげぇ〜、儲かってる。
羨ましい(-_-








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